東日本大震災も11日で3年を迎えます。
もうそんなに経つのか、いや未だ3年か・・と。
立場、立場で想いは違うでしょうが、発生時のテレビから流れた衝撃の映像は
誰しもが忘れることはできないでしょう。
復興も未だ道半ば、一日も早く仮設住宅から普通のお住まいに移られることを
切に願うばかりです。
一方、阪神淡路大震災も今年で19年目を迎えました。
昨年、復興の様子を見に出掛けたところ、あまりの変わりように目を奪われました。
震災時の面影を思い出しながら、日本人の逞しさ・直向きさに感動しながらの街巡りは
私にとって、一生の思い出になるはずです。
19年前の視察では、国内・海外問わず多くの関係者が現場に訪れ調査が行われました。
軟弱地盤であることに加え、瓦の生産地淡路島を控え
瓦屋根が多用されたことが原因かという話もありました。
また、日本特有の多湿による劣化、さらにシロアリ被害の影響も大きいのではと
言われていました。
私たちが注目したのは、新築や建築途中に大きく傾いた建物です。
在来工法では、柱と梁の仕口加工として、
柱に2方向以上の彫り込み(断面欠損)が行われています。
その結果、各部の強度が弱まり、木造建築の揺れへの危うさが露呈しました。
これらを解決する工法はすでにありましたが、
当時は価格が高く一般向きではありませんでした。
まだプレカットもそれほど普及していない時代でした。
視察後、私の腹は決まっていました。
「今やらないでどうする!」。
まずはベタ基礎。
そして構造材は断面欠損を最小限に抑え
繋ぎに金物を使用する「金物工法」と言われる工法です。
ボルトの繋ぎも少なく良いことずくめですが、
需要がついてこなくて苦労したことを覚えています。
弊社では現在は100パーセント金物工法ですが、
街の現場では普及が遅いような気がします。
予算も大事ですが、どんな工法で建てるかは知っておきたいですね。
接合部イメージ
木と木をつなぐ金具。強さと薄さを極めた「テックワン」。
在来工法による耐震実験。
金具工法による耐震実験。