『小屋から家へ』 中村好文著
なにもないからこそすべてがある――小さな小屋に立ち戻ることで浮かび上がってくる
「人の暮らしとすまい」に本当に必要なもの、本当の豊かさとは……。
30年にわたり首尾一貫して「普段着のように居心地のよい住宅」をつくってきた
中村流の「すまいづくり」のエッセンスが、この一冊にぐっと詰まっています。
(TOTO出版/作品紹介より)
建築家 中村好文氏は子どものころ、
足踏み式ミシンに新聞紙で覆いをつけて、
「隠れ家」を作ったそうです。
その気持ち、分かるなぁ…
足踏み式ミシンがないおうちなら
押し入れだったりもするのだろうけど。
狭い狭いところに、子どもはなぜか入りたくなる。
私が子どものころは、
敷布団の下に敷くマットレスを
折ったり
二枚組み合わせて立てたり
布団ばさみで補強したりして
とにかくなんとかして小さな空間を作ろうと懸命だった。
ようやく竣工するも
しばらく中にいると、暑い。
しかも暗いし。
そのうち「おうち」はゆがみ、壊れてしまう。
それでも飽きずにまた「おうち」をつくったものだ。
中村氏は
隠れ家の原体験をもとに
小屋の魅力を表現するようになったのですね。
小さな空間にその想いをたっぷりと詰め込んで…。
なにもない、そこにこそ、すべてがある。
「小屋」に住まいの原点を見い出せます。
iKE