一定の時代と地域ごとの表現上の共通性を定める「建築様式」
無数にあるようですが代表的なものとして、
ギリシャ、ローマ、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、
バロック、ロココ、ネオクラシシズム、モダニズム があります。
写真は、日本と西洋の様式の流れを同軸に捉え、時代ごとに対比して見る
建築様式の歴史年表です。日本の建築様式が西洋に影響をうけている
時代背景も伝わり、これは面白いです。
では、ブリティッシュヒルズ マナーハウス内部を
ご覧いただきながら、建築様式をご紹介します。
12~13世紀に造られた古城を基に、
19世紀の「ヴィクトリアン様式」を
取り入れた内装を施し、再生したそうです。
過去を遡りながら、「ヴィクトリアン様式」を復習しました。
18世紀イギリスに始まる産業革命を機に近代産業社会が誕生した頃
フランスでは「アンピール様式(帝政様式)」(英語読みはエンパイアスタイル)
ナポレオンが皇帝となり、ローマ帝国を夢見て、古典的荘重さと威厳さを示すため、
マホガニー材の椅子に紅色のビロード地張り、エジプト風の蛇、スフィンクス、
N(ナポレオンのイニシャル)の花文字、月桂樹などの装飾要素を左右対称にした構成
と、重厚で直線的なスタイルが流行ったそうです。その後、イギリスでもアンピール
様式の影響を受け、リージェンシー様式~ヴィクトリアン様式に移り変わります。
「ヴィクトリアン様式」
1837年~1901年のヴィクトリア王女時代は、
過去のスタイルやデザインの再生が多く、家具の樹種も多様。
家具の改造も流行し、支柱、横木、装飾などが、それぞれことなる家具から
持ち寄られることもあり、これといってはっきりとしたスタイルやデザインが
ない時代だったそうです。マナーハウスにも、過去のスタイルの再生を意識した、
様々な様式の家具や装飾がほどこされていました。
ウエッジウッド流の漆喰工法の天井と、伝統的な連続模様のパネル張りの壁。
樹種は「マホガニー」です。
キングスルーム(王の部屋)
ギリシャ様式のコリント式柱の奥が寝室です。
パルテノン神殿
ギリシャ様式の代表的な柱
ヨーロッパで流行した中国様式
「シノワズリ」の家具と置物
私は「アンピール様式」に惹かれます。
近隣では、恵比寿にある 「ウェスティンホテル東京」が
アンピール様式を取り入れています。
上質な空間のラウンジで、お茶をいただくだけでも
贅沢な気分を満喫できますので、お勧めです!