秋+心=

善光建設の池内です。

 

秋に心と書いて、「愁」。

爽やかな季節のはずなのに、もの悲しさが去来する。

今に始まったことではなく、百人一首がうたわれた平安の昔から

この季節の移ろいは人の心に影響を与えていたのでしょう。

 

 

月みれば千々にものこそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど 大江千里

 

「じゅーうにんとーいろっ♪」の大江千里さんではありません。

在原業平の甥にあたる、おおえのちさとの歌です。

 

現代語に訳すと…

 

月を見ると

あれもこれもなんでもかんでも悲しく思えてくる。

私ひとりのところだけ

秋になったというわけではないのだけれど。

 

というところでしょうか。

その悲しみは、秋のせいなのか、それとも…。

見えない行間に

「みんなもそうかもしれないけど」という気持ちが読み取れます。

 

自分が悲しみの淵にいるときにさえ

他者に思いを寄せる

そんな人柄を感じました。