vol.35 画集出版記念 宮本秀信展

見れば見るほど「人間」の存在が見えてくる

 第13号でご紹介した「五本木絵画教室」の
宮本秀信先生が画集を刊行されます。

出版記念の展覧会が開催されるということで、
再びアトリエを訪ねました。

 

 

『揃いのスカーフ』 2012年、F10、油彩、キャンバス
大人にも子どもにも分け隔てなく熱心に指導してくださる宮本先生

 

 

 「画家は70歳から80歳の10年間が最も充実した時期ともいわれ、自分も71歳という時期になり、そのひとつの区切りになる」と宮本先生。画集には、人間の存在に対する尽きぬ共感やレアリスムの追求という長年取り組まれてきたテーマに根差した初期(1970年)の作品から新作までが収められています。
 今回の出版にあたって見返した過去の作品からは、新たな刺激を受けることもあったそうです。また、娘さんが赤ちゃんだった頃の姿を描いたデッサンもたくさん出てきて、当時を懐かしむ一幕もあったとか。奥様にもお話を伺ったところ、結婚のときのエピソードが飛び出しました。宮本先生が奥様のお父様に「僕は筆一本と紙があれば生きていけます!」と言ったそうです。画家としての強い信念とご家族に対する深い愛情を感じます。宮本先生を支え歩んで来られた奥様も素敵ですね。
 2017年11月の展覧会が楽しみです。芸術の秋、皆様もぜひ足をお運びください!(2017.08)

 

経歴

1968年 武蔵野美術大学 造形学部 油絵科卒業
1969年 武蔵野美術大学 専攻科卒業
    (麻生三郎・森芳雄に師事)
2000年 銀座文芸春秋画廊個展
2003年 銀座みゆき画廊個展
2006年 横浜赤レンガ倉庫個展
2009年 銀座清澄画廊個展
2011年 銀座清澄画廊個展 

 

展覧会について

今回の展覧会では、宮本氏が長年取り組んできた
「人間のいる絵」「生活のある絵」を
初期作品から新作によって見ることができる。
光に満ちた豊かな色彩と、柔らかな幻想性によって、
独自の絵画世界を切り拓いてきた画業をたどることができよう。 
〈美術評論家/土方明司〉


 

画集出版記念『宮本秀信展』

2017/11/ 8 (水)~12 (日) 10~18時(最終日16時迄)
目黒区美術館 区民ギャラリー
目黒区目黒2-4-36
tel.03-3714-1201